キリル文字

大文字 小文字 アルファベット キーボード 名称 発音 硬/軟 備考
А а アー a 硬母音  
Б б ベー b 硬子音  
В в ヴェー v 硬子音  
Г г ゲー g 硬子音  
Д д デー d 硬子音  
Е е イェー ye 軟母音 文法上はоが対応の硬母音。
Ё ё YO ヨー yo 軟母音 上の点々は省略される場合が多い。
Ж ж ZH ジェー zh 硬子音 Measureのsの音。常に硬子音。
З з ゼー z 硬子音  
И и イー i 軟母音 対応の硬母音はы。
Й й イー・クラトコエ y (半母音) 子音のイ。普通母音の後につける。
К к カー k 硬子音  
Л л エル l 硬子音 「エリ」ともいう。
М м エム m 硬子音  
Н н エヌ n 硬子音  
О о オー o 硬母音  
П п ペー p 硬子音  
Р р エル r 硬子音  
С с エス s 硬子音  
Т т テー t 硬子音  
У у ウー u 硬母音  
Ф ф エフ f 硬子音  
Х х KH ハー kh 硬子音 kの口でhの発音。
Ц ц TS ツェー ts 硬子音  
Ч ч CH チェー ch 軟子音 常に軟子音。
Ш ш SH シャー sh 硬子音 常に硬子音。
Щ щ SHSH シシャー shsh 軟子音 常に軟子音。「シチャー(shch)」とも。
Ъ ъ トヴョールドゥイ・ズナーク ' (硬音記号) 子音と母音を分離する。
Ы ы ゥイ y 硬母音 「イ」と「ウ」の中間の音。иと対応。
Ь ь ミャーフキー・ズナーク ' (軟音記号) 直前の子音を軟音化する。
Э э エー e 硬母音  
Ю ю YU ユー yu 軟母音  
Я я YA ヤー ya 軟母音  

キリル文字は ギリシャ文字の直接の子孫ともいわれ、東ヨーロッパを代表する文字の一つです。特にロシアにおいて形が整えられたこともあり、ロシア文字とも呼ばれています。しかしながら、東欧諸国全般で使用されており、国や地域により若干違う文字を使う場合もあります。
キリルとは この文字の創始者キリル(キリロス)の名前にちなんで付けられた名前ですが、実は、キリロスがこの文字を作ったわけではありません。キリロスは、この文字と親戚関係にあるグラゴール文字というキリル文字とは見た目の異なる文字を東欧宣教、とくにスラブ民族への宣教のために9世紀ごろ作り上げました。
キリル文字はキリロスの弟子たちが作ったといわれています。この文字の名前の矛盾は、キリル文字をキリロスが作ったという誤った伝説によるものと思われます。
文字数 厳密には、ロシア文字=キリル文字ではありません。ロシア文字とはキリル文字の一部を手直ししたものです。キリル文字はもともと43字あり、大半がギリシャ文字からの借用で、一部をグラゴール文字からも借用しています。その後ピョートル大帝の治世になって、34字に削減され、1710年、市民用活字体を制定しました。これが近代ロシア語アルファベットの起こりとなりました。

BACK  HOME