レオパルト軽戦車 (VK.16.02)
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+概要
VK.16.02「レオパルト」(Leopard:豹)戦車は、II号戦車の発展型として開発された一連の新型II号戦車シリーズの最後のものである。
1941年、ドイツ陸軍兵器局第6課は「VK.16.02」の試作呼称で強行偵察用の16t級軽戦車の開発を命じた。
車体はブラウンシュヴァイクのMIAG社(Mühlenbau und Industrie AG:製粉・機械製作所)、砲塔と上部構造物はベルリン・マリーエンフェルデのダイムラー・ベンツ社が開発を担当した。
VK.16.02の車体設計はこれまでの新型II号戦車シリーズの流れとは決別し、パンター戦車のような傾斜した装甲板を組み合わせたものとなった。
各部の装甲厚は車体が前面50mm(60mmとも)、側/後面30mm、上面20mm、砲塔が前面50mm(80mmとも)、側/後/上面30mmというものであった。
VK.16.02の砲塔には武装として、デュッセルドルフのラインメタル・ボルジヒ社製の60口径5cm戦車砲KwK39/1と、デーベルンのMLJG社(Metall
und Lackwarenfabrik Johannes Großfuß:ヨハネス・グロースフース金属・漆器製作所)製の7.92mm機関銃MG42が防盾に同軸装備されていた。
この砲塔は、装輪式のSd.Kfz.234/2プーマ装甲偵察車の砲塔と同型のもの(というより、レオパルト戦車の開発中止後にプーマ装甲偵察車に流用された)であった。
足周りは同時期に開発が進められていたII号戦車L型ルクスと同様に、オーバーラップ式転輪配置が採用されていた。
レオパルト戦車の戦闘重量は21.9tでII号戦車系列の車両としてはかなりの重量級であったが、これに対応して550hpという高出力を発揮する、フリードリヒスハーフェンのマイバッハ発動機製作所製のHL157P
V型12気筒液冷ガソリン・エンジンが搭載された。
また接地圧の低減を図って幅350mmの幅広履帯が採用されたことにより、路上最大速度60km/hという高い機動性能を発揮できた。
レオパルト戦車は1942年5月末には実物大の木製モックアップが完成し、車体の設計作業は同年7月30日(10月末ともいわれる)に完了した。
さらに1942年9月1日には車体各部のパーツが用意され、10月1日に組み立てが行われたが結局試作車は完成しなかった。
予定ではレオパルト戦車は1943年4月から生産型の量産が開始され、1943年12月までに105両、1944年春には150両が完成するはずであったが、これらは全て計画で終わり実現しなかった。
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<レオパルト軽戦車>
全長: 6.45m
車体長: 4.74m
全幅: 3.10m
全高: 2.60m
全備重量: 21.9t
乗員: 4名
エンジン: マイバッハHL157P 4ストロークV型12気筒液冷ガソリン
最大出力: 550hp/3,600rpm
最大速度: 60km/h
航続距離:
武装: 60口径5cm戦車砲KwK39/1×1 (50発)
7.92mm機関銃MG42×1 (2,400発)
装甲厚: 20~50mm
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兵器諸元
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<参考文献>
・「パンツァー2005年9月号 ドイツII号L型軽戦車の開発とバリエーション(後編)」 稲田美秋 著 アルゴノート社
・「パンツァー2012年11月号 AFV比較論 M5軽戦車とルクス」 久米幸雄 著 アルゴノート社
・「ジャーマン・タンクス」 ピーター・チェンバレン/ヒラリー・ドイル 共著 大日本絵画
・「グランドパワー2010年8月号 ドイツ計画戦車」 後藤仁 著 ガリレオ出版
・「戦車ものしり大百科 ドイツ戦車発達史」 斎木伸生 著 光人社
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