+概要
ダービーのロールズ・ロイス社と共に、イギリスの自動車産業において長い歴史を持つバーミンガムのランチェスター自動車が1914年に開発した装輪式装甲車が、このランチェスター装甲車である。
2重点火装置と圧力式注油装置を備えるモノブロック式6気筒エンジン(出力60hp)を車体前部に装備し、ボンネットには避弾経始を考慮して適度な傾斜が与えられ、車体中央部は戦闘室とされていた。
戦闘室の前面はオープンとされ、戦闘時には装甲シャッターを閉めて開口された細いスリットから前方視界を得ていた。
戦闘室の上部には7.7mmヴィッカーズ液冷重機関銃を装備する砲塔が搭載され、戦闘室と砲塔内にはそれぞれ2名ずつの乗員が配されていた。
砲塔上面には右開き式の縦長ハッチが設けられ、後面にも視察用の右開き式の横長ハッチが装備されていた。
また戦闘室の後部には観音開き式のドアが装備されており、乗員はここから乗降を行った。
車輪はワイアー・スポークのホイールに装着されており、軍用装甲車に似つかわしいものではないが当時はこれが一般的であった。
また後部車輪は接地圧を低減させるために複列式となっており、当時の装輪式装甲車としては最もバランスの良い車両の1つであった。
|