Mk.VII戦車はMk.Ｖ*戦車やMk.Ｖ**戦車と同様にMk.Ｖ戦車の能力向上型として開発されたもので、エディンバラのブラウン・ブラザーズ社が製造を担当した。
Mk.VII戦車の車体形状はMk.Ｖ戦車と似ていたが、超壕力を向上させるため車体後部に「タッドポウル・テイル」（Tadpole Tail：オタマジャクシの尾）と呼ばれる延長部が装着され、車体長がMk.Ｖ戦車より914mm延長されていた。

エンジンはMk.Ｖ戦車と同じく、ショアハム・バイ・シーのリカード社製の直列6気筒液冷ガソリン・エンジン（出力150hp）を搭載していたが、変速・操向機はMk.Ｖ戦車のウィルソン遊星歯車式変速・操向機に代えて、ウィリアム・ジャニー油圧式変速・操向機が採用されていた。
このウィリアム・ジャニー変速・操向機はMk.Ｖ戦車への採用候補に挙がっていたもので、ウィルソン変速・操向機よりも性能的には優れていたが、複雑で高価なシステムであったため結局採用が見送られていた。

しかしMk.Ｖ戦車の機動性能を向上させるため、改めて採用が検討されたというわけである。
Mk.VII戦車は1917年10〜11月にかけて試作車の走行試験が実施され、試験の結果が良好であったためイギリス陸軍は1918年初めに75両の生産を発注した。
しかし油圧モーターの生産に手間取ったため、1918年11月の第1次世界大戦終結までに生産型はわずか1両しか完成せず、残りの発注は全てキャンセルされてしまった。