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「ブッフェル」(Buffel:アフリカーンス語で水牛を意味する)装甲車は、プレトリアのアームスコー社(南アフリカ兵器公社)が開発した、耐地雷性能に優れる4×4型装輪式のAPC(装甲兵員輸送車)である。 ブッフェル装甲車は1978年から南アフリカ陸軍への配備が開始され、シリーズ合計で2,400両以上が生産された。 本車は非常にユニークな車体デザインを採用しており、車体の前部にエンジンが置かれ、その上の左側に1名用の操縦室、右側にスペアタイヤが配置されている。 パワープラントには、西ドイツ(当時)のダイムラー・ベンツ社製のウニモグ416/162多用途トラックのものが流用されている。 操縦室は大きな防弾ガラス入りの窓で三方を囲まれており、視界は良好である。 車体の後部はオープントップ式の兵員室となっており、背中合わせに左右に各5名ずつ、合計10名の完全武装歩兵を収容することができる。 それぞれの座席には4点式のシートベルトが用意されており、地雷を踏んだ際の負傷を最小限に抑えるよう考慮されている。 前述のように兵員室の上面はオープンだが、上面の前端から後端まで中央に丈夫なバーが渡されており、車両が転倒した際に乗員を保護するようになっている。 また兵員室の後部には、着脱式のトランクスペースが設けられている。 兵員室には乗降用のドアは無く、側面装甲板全体を外側に倒すか、側面に2個設けられている足掛けを伝って昇り降りするしかない。 兵員室の下面装甲板はV字型に尖っており、地雷の爆風を左右に逃がしてダメージを減少させるように考慮されている。 車体上部には2基のピントルマウントが設けられており、それぞれに防盾付きの7.62mm機関銃FN-MAGを装備することができる他、兵員室の側面装甲板の上端には、搭乗兵員が射撃を行うための切り欠きが左右に各5個ずつ設けられている。 |
<ブッフェル装甲車> 全長: 5.10m 全幅: 2.05m 全高: 2.995m 全備重量: 6.14t 乗員: 1名 兵員: 10名 エンジン: メルツェーデス・ベンツ OM352 4ストローク直列6気筒液冷ディーゼル 最大出力: 125hp/2,800rpm 最大速度: 96km/h 航続距離: 1,000km 武装: 7.62mm機関銃FN-MAG×1〜2 装甲厚: |
<参考文献> ・「世界の軍用車輌(4) 装輪式装甲車輌:1904〜2000」 デルタ出版 ・「世界の戦車パーフェクトBOOK 決定版」 コスミック出版 ・「ザ・タンクブック 世界の戦車カタログ」 グラフィック社 ・「新・世界の装輪装甲車カタログ」 三修社 ・「世界の軍用4WDカタログ」 三修社 ・「世界の軍用4WD図鑑PART2」 スコラ ・「戦闘車輌大百科」 アルゴノート社 |