BRM-3K「ルィス」(Rys:山猫)装甲偵察車は、「オブイェークト501」の開発番号でクルガン機械工場とルブツォフ機械工場が1990年代初めにBMP-3歩兵戦闘車をベースに共同開発した汎用偵察車両である。 本車はこれまでロシア陸軍で運用されてきたBMP-1歩兵戦闘車ベースのBRM-1K装甲偵察車や、PRP-4砲兵観測車の役割を統合する車両として開発されたものである。 80.5口径30mm機関砲2A72と7.62mm機関銃PKTを同軸装備した2名用の全周旋回式砲塔には各種観測用機材(1PN71光量増幅式暗視サイト、1PN61赤外線暗視サイト、1D14レーザー測遠機等)も積み込み、また車体側にも1RL-133-1対砲レーダー(対車両探知距離7km、対人探知距離2km)や多重式無線・衛星通信システム、衛星ナビゲイション機材等を搭載し、乗員はこれらを操作する要員を含め6名である。 本車は今日若干数がロシア陸軍に装備された他は、輸出商談待ちで生産が準備されている模様である。 |
<BRM-3Kルィス装甲偵察車> 全長: 7.02m 全幅: 3.23m 全高: 2.57m 全備重量: 19.6t 乗員: 6名 エンジン: UTD-29M 4ストロークV型10気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル 最大出力: 500hp/2,400rpm 最大速度: 70km/h(浮航 10km/h) 航続距離: 600km 武装: 80.5口径30mm機関砲2A72×1 (600発) 7.62mm機関銃PKT×1 (2,000発) 装甲厚: 10〜45mm |
<参考文献> ・「パンツァー2000年7月号 ソ連・ロシア装甲車史(12) BMP-2/3シリーズ」 古是三春 著 アルゴノート社 ・「パンツァー2022年11月号 ARMY 2022」 アルゴノート社 ・「ロシア軍車輌写真集」 古是三春/真出好一 共著 アルゴノート社 ・「グランドパワー2006年12月号 歩兵戦闘車 BMP (3)」 古是三春 著 ガリレオ出版 ・「世界の軍用車輌(3) 装軌/半装軌式戦闘車輌:1918〜2000」 デルタ出版 ・「10式戦車と次世代大型戦闘車」 ジャパン・ミリタリー・レビュー ・「世界の装軌装甲車カタログ」 三修社 |