ASCOD LT-105軽戦車 |
ASCOD LT-105軽戦車 LMT105砲塔搭載型 ASCOD LT-105軽戦車 LPT砲塔搭載型 ASCOD LT-105軽戦車 105LRF砲塔搭載型 |
●開発 ASCOD LT-105軽戦車は、オーストリア・ウィーンのSDP(シュタイアー・ダイムラー・プフ)社(現GDELSシュタイアー社)と、スペイン・マドリードのSBS(サンタ・バルバラ・システマス)社(現GDELS-SBS社)がマドリードに設立した共同事業体「ASCOD AIE」が輸出用に自社資金で開発した軽戦車で、同社が1990年代に開発した装軌式のASCOD歩兵戦闘車の車体に、105mmライフル砲を装備する全周旋回式砲塔を搭載したものである。 ちなみに「LT-105」は、「Light Tank 105」(105mm砲搭載軽戦車)の略である。 ASCOD AIE社は本車の開発当初から、オーストリア陸軍が装備する旧式なSK105キュラシェーア軽戦車の後継車両として提案することを目論んでいた。 南アフリカのDLS(デネル・ランドシステムズ)社製のLMT105砲塔を搭載する、ASCOD LT-105軽戦車の最初の試作車は1996年後期に完成し、オーストリア国内で同陸軍を始め、本車に関心を示した国々の軍関係者を集めてデモンストレイションが実施された。 続いて1998年後期には、アメリカのGDLS(ジェネラル・ダイナミクス・ランドシステムズ)社製のLPT砲塔を搭載する試作車が完成し、アメリカ国内で射撃試験が実施されて良好な成績を収めた。 さらに2000年前期には、イタリアのオート・メラーラ社製の105LRF砲塔を搭載する試作車が製作され、停止時と走行時における射撃試験が実施されたが、いずれも良好な成績を収めている。 この試作車の戦闘重量は、29.49tとなっていた。 いずれの試作車においても、ASCOD LT-105軽戦車のFCS(射撃統制システム)と主砲火力は共に第一級のMBT(主力戦車)には及ばず、本車の攻撃力と装甲防御力はせいぜい、同級の主砲を装備する装輪式装甲車と同等のレベルに留まっている。 ただし、ASCOD LT-105軽戦車は装軌式であるために不整地における踏破力は装輪式装甲車よりも高く、この点から、道路網が未整備な開発途上国向けのMBTを補完する車両になり得ると考えられる。 最近の情報では、タイ国防省が海兵隊用の装備としてLMT105砲塔搭載型のASCOD LT-105軽戦車を15両発注した模様である。 |
●LMT105砲塔の構造 ASCOD LT-105軽戦車の最初の試作車に搭載された「LMT105」(Light Medium Turret 105:105mm砲用軽中量級砲塔)砲塔は元々、南アフリカ陸軍が装備している装輪式のローイカット戦闘偵察車の近代化改修用に同国のロイメックOMC社(現DLS社)が1990年代前期に開発したもので、同国のLIW社(現DLS社)が開発した52口径105mm低反動ライフル砲GT7を主砲として装備する。 このGT7砲は、西側諸国の戦後第2世代MBTの標準武装となったイギリスの王立造兵廠(現BAEシステムズ・ランド&アーマメンツ社)製の51口径105mmライフル砲L7をベースに、装輪式装甲車や軽戦車に搭載できるよう射撃時の反動を軽減する改良を施したもので、低反動砲ではあるもののL7砲用の105mm砲弾を発射することが可能である。 主砲の砲身は、温度の影響による歪みを補正するためのサーマルスリーブで覆われている。 GT7砲は2軸が安定化されており、最大発射速度は6発/分となっている。 砲塔の旋回と主砲の俯仰は、反応が早く火災の危険性が低い電気駆動方式が採用されている。 105mm砲弾は砲塔内に即用弾16発、車体後部の主砲弾薬庫に予備弾24発の計40発が搭載される。 副武装としては、主砲同軸および砲塔上面に7.62mm機関銃を各1挺ずつ装備している。 7.62mm機関銃弾は砲塔内に即用弾2,800発、車体内に予備弾1,800発の計4,600発が搭載される。 また砲塔の左右側面後方には、4連装の81mm発煙弾発射機が各1基ずつ装備されている。 砲塔内には車長、砲手、装填手の3名が搭乗し、右側前部に砲手、その後ろに車長、左側に装填手が位置する。 装填手席の上部には後ろ開き式の円形ハッチが設けられており、さらに2基のペリスコープと1基の視察ブロックが備えられている。 車長席の上部には周囲に8基のペリスコープを備え、上部に後ろ開き式の円形ハッチを備えたキューポラが設けられており、キューポラの前方には水平・垂直の2軸が安定化された車長用の展望式昼間サイトも装備されている。 また車長席には、砲手用夜間サイトの映像を表示するモニターが備えられている。 砲手用サイトは砲塔上面右側前方に設けられており、前面は左右に開く装甲カバーで保護されている。 砲手用サイトは昼間用の光学サイトおよび夜間用の熱線暗視装置とレーザー測遠機で構成されており、対物ミラーの2軸が安定化されていて機動中も良好な目標への追従性を持つ。 なお砲手用にはバックアップとして、砲塔防盾の右側に直接照準望遠鏡が主砲と同軸に取り付けられている。 これらはディジタル弾道コンピューターとリンクされてFCSを構成しており、このFCSによって本車はAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)を使用した場合、射距離2,000mにおいて1.5m2の標的に主砲弾を安定して命中させることが可能となっている。 砲塔の左側面には、主砲弾薬の補給に用いる円形ハッチが設けられている。 |
●LPT砲塔の構造 ASCOD LT-105軽戦車の2番目の試作車に搭載された「LPT」(Low-Profile Turret:低姿勢砲塔)砲塔は元々、アメリカのTVS(テレダイン・ヴィークル・システムズ)社(現GDLS社)がアメリカ陸軍の「AGS」(Armored Gun System:装甲砲システム)計画に応募するために、1980年代前期に開発した「遠征戦車」(Expeditionary Tank)に搭載するために開発されたもので、自動装填装置を備えたコンパクトな2名用砲塔に、L7砲の改修型であるアメリカ製の51口径105mmライフル砲M68A1を装備したものである。 しかし結局、AGS計画の勝者となったのはアメリカのFMC社(現BAEシステムズ・ランド&アーマメンツ社)が開発した「CCV-L」(Close Combat Vehicle-Light:軽量近接戦闘車両)で、遠征戦車は採用されなかった。 その後TVS社はM60戦車、センチュリオン戦車、AMX-30戦車などの旧式化したMBTの近代化改修用としてLPT砲塔を売り込んだが、結局採用する国は現れなかった。 1996年にTVS社はジェネラル・ダイナミクス社に吸収合併され、LPT砲塔に関する事業は子会社のGDLS社が引き継ぐことになった。 そしてLPT砲塔は、アメリカ陸軍の新型装輪式装甲車であるストライカー装甲車シリーズの火力支援型である、M1128ストライカーMGS(Mobile Gun System:機動砲システム)に搭載されることになった。 ストライカーMGSの最初の試作車は2002年に完成し、2007年からアメリカ陸軍への配備が開始されている。 LPT砲塔はTVS社およびGDLS社の手で度重なる改良が図られており、砲塔はより軽量で強固なものとなり、自動装填装置の装填動作もよりスムーズになっている。 LPT砲塔は通常の砲塔と異なり、操作を行う砲手と車長は砲塔リングより低い位置に配置され、主砲とそれを支える砲架のみが砲塔リングの上部に露出する構造になっている。 このような構造を採用したことでLPT砲塔は通常の砲塔に比べて前面投影面積が非常に小さく、被発見性や砲塔への被弾確率を低下させることに成功している。 砲手は砲塔バスケット内の左側、車長は右側に配置され、両者の中央には自動装填装置が配置されている。 この自動装填装置の装填システムは、砲塔バスケット内の回転式弾倉が一番上の砲弾を斜め上に持ち上げ、その砲弾をラマーが掴んで引き上げて主砲の砲尾に装填するようになっている。 主砲の射撃後は砲塔後部バスルの後面と下面の中央部が自動的に開き、ここから空薬莢が車外に排出される。 この自動装填装置により、LPT砲塔は5〜6発/分の速度で主砲の射撃を行うことが可能になっている。 主砲用の105mm砲弾は砲塔バスケット内の回転式弾倉に8発と、車体後部の回転式主砲弾薬庫に10発の計18発が搭載される(ストライカーMGSの場合)。 105mm砲弾は車体後部の主砲弾薬庫に人力で搭載し、主砲弾薬庫から回転式弾倉へは自動で給弾できる。 LPT砲塔の主砲である105mmライフル砲M68A1(ストライカーMGSに搭載されている最新のタイプでは改良型のM68A2に換装されている)は、劣化ウラン弾芯を持つ最新のM900 APFSDSを使用した場合、砲口初速1,505m/秒、射距離1,000mにおいて600mm厚のRHA(均質圧延装甲板)を貫徹することが可能で、戦後第3世代MBTにも対抗することが可能である。 主砲の先端には多孔式の砲口制退機が装着されており、射撃時の反動軽減に寄与している。 またLPT砲塔は主砲の駐退・復座機構にも工夫が凝らされており、射撃時の反動の低減が図られている。 このため、LPT砲塔は装輪式装甲車や軽戦車にも搭載することが可能となっている。 副武装としては主砲と同軸に7.62mm機関銃が1挺装備されるが、オプションとして車長用キューポラにアームを介して取り付けられた武装ステイションに7.62mmもしくは12.7mm機関銃、または40mm自動擲弾発射機を装備することが可能である。 車長席の上部には周囲に多数のペリスコープを備え、上部に右開き式のハッチを備えたキューポラ、砲手席の上部には左開き式のハッチがそれぞれ設けられている。 砲手用ハッチの前方に設けられた砲手用サイトは、昼間用の光学サイトおよび夜間用の第2世代FLIR(Forward Looking Infrared:赤外線前方監視装置)、レーザー測遠機で構成されており、対物ミラーの2軸が安定化されていて機動中も良好な目標への追従性を持つ。 砲塔上面後部右側には2軸が安定化された車長用の展望式サイトが設けられており、砲手が目標を照準中に車長が次の目標を捜索・照準するハンター・キラー的運用が可能となっている。 砲塔の旋回と主砲の俯仰は電気駆動式となっており、車長が砲手にオーバーライドして主砲の指向・射撃を行うことも可能になっている。 LPT砲塔は全周旋回が可能で、主砲の俯仰角は−8〜+18度となっている。 |
●105LRF砲塔の構造 ASCOD LT-105軽戦車の3番目の試作車に搭載された「105LRF」(105 Low-Recoil Force:105mm低反動)砲塔は、イタリア陸軍が装備している装輪式のB1チェンタウロ戦闘偵察車に搭載するためにオート・メラーラ社が1980年代後期に開発した3名用の全周旋回式砲塔を原型としており、同社が開発した52口径105mm低反動ライフル砲を主砲として装備する。 この砲はLMT105砲塔の主砲であるGT7砲と同様、L7砲をベースに装輪式装甲車や軽戦車に搭載できるよう射撃時の反動を軽減する改良を施したもので、低反動砲ではあるもののL7砲用の105mm砲弾を発射することが可能である。 APFSDSを使用した場合、射距離1,000mにおいて450mm厚のRHAを貫徹することが可能で、戦後第2世代までのMBTを遠距離から撃破することができる。 主砲の砲身は温度の影響による歪みを補正するためのサーマルスリーブで覆われており、砲身先端には射撃時の反動を軽減するために多孔式の砲口制退機が装着されている。 また105LRF砲塔は主砲の駐退・復座機構を工夫して、射撃時の後座長を長くすることで反動を吸収し、車体に掛かる反動の低減を図っている。 ちなみに105LRF砲塔の主砲の射撃時の後座長は740mmとなっており、通常のL7砲の後座長290mmよりはるかに長い。 主砲は2軸が安定化されており、俯仰角は−6〜+16度となっている。 砲塔の旋回と主砲の俯仰は、電気油圧駆動方式が採用されている。 105mm砲弾は砲塔内に即用弾14発、車体後部の主砲弾薬庫に予備弾26発の計40発が搭載される。 副武装としては、主砲同軸および砲塔上面に7.62mm機関銃を各1挺ずつ装備している。 7.62mm機関銃弾は、砲塔内と車体内に計4,000発が搭載される。 また砲塔の左右側面後方には、4連装の76mm発煙弾発射機が各1基ずつ装備されている。 砲塔内には車長、砲手、装填手の3名が搭乗し、右側前部に砲手、その後ろに装填手、左側に車長が位置する。 砲塔上面には右側やや後方に円形後ろ開き式の装填手用ハッチ、左側やや前方に同形態の車長用ハッチがそれぞれ設けられている。 FCSは、イタリアのガリレオ・アヴィオニカ社(現レオナルド社)製の「TURMS」(Tank Universal Reconfigurable Modular System:戦車汎用再設定可能モジュラー・システム)FCSが搭載されている。 このFCSはイタリア陸軍の主力MBTであるC1アリエテ戦車にも採用されている高性能なもので、車長用昼/夜間展望式サイト、砲手用昼/夜間サイト、弾道コンピューター、各種センサー、砲口照合装置、車長、砲手、装填手用コントロール・パネルで構成されている。 車長用展望式サイトは車長用ハッチの前方にあり、2軸が安定化されている。 サイトは全周旋回式で、−10〜+60度の俯仰が可能である。 倍率は2.5倍および10倍の選択が可能で、熱線暗視装置は装備していないが砲手用夜間サイトの映像をモニターで見ることができる。 また車長はこのサイトを使用して、砲手にオーバーライドして主砲の指向・射撃を行うことも可能である。 砲手用サイトは砲塔上面右側前方に設けられており、前面は左右に開く装甲カバーで保護されている。 砲手用サイトは昼間用の光学サイトおよび夜間用の熱線暗視装置とレーザー測遠機で構成されており、対物ミラーの2軸が安定化されていて機動中も良好な目標への追従性を持つ。 昼間サイトは倍率5倍、暗視装置は広視野と狭視野を選択することができる。 なお砲手用にはバックアップとして、砲塔防盾の右側にガリレオ社製のC102直接照準望遠鏡が主砲と同軸に取り付けられている。 C102直接照準望遠鏡は倍率8倍で、マニュアル照準用の3種類の距離スケールが刻まれている。 弾道コンピューターはディジタル式で、サイト、レーザー測遠機、気温、風向、車体の姿勢、砲身温度等、各種センサーから得られたデータを処理して主砲やサイト、レーザー測遠機に最適なデータを与える。 コンピューターは自己診断機能や訓練機能も持っており、モードも通常作戦モードの他、部分的な故障その他に備えたバックアップ・モードも持つ。 |
●防御力 ASCOD LT-105軽戦車の車体と砲塔は圧延防弾鋼板の全溶接構造となっているが、車体の装甲厚は原型となったASCOD歩兵戦闘車とほとんど変わらず、砲塔の装甲厚も薄めに作られているため、敵戦車が装備する戦車砲の直撃に耐えるのは不可能である。 本車の装甲防御力は車体と砲塔の前面で射距離500mから発射された14.5mm重機関銃弾の直撃、その他の部分で7.62mm徹甲弾の直撃に耐える程度となっている。 ただASCOD LT-105軽戦車は原型となったASCOD歩兵戦闘車と同様、レーダー反射や赤外線反射の抑制を考慮した車体デザインを採用しているため、従来の軽戦車に比べて敵に発見され難いという特徴を持っており、多少は防御力の低さを補っている。 またASCOD LT-105軽戦車は砲塔と車体の前/側面に2段階のレベルで増加装甲を装着することができ、機動力と防御力のバランスをユーザーが選択できるようになっている。 レベル1の増加装甲を装着した場合、本車は射距離1,000mから発射された30mm機関砲のAPDS(装弾筒付徹甲弾)の直撃に耐え、さらにレベル2の増加装甲を装着した場合は、同条件で発射された30mm機関砲のAPFSDSに耐えることができる。 この増加装甲はボルトで固定するようになっており、容易に着脱を行うことが可能である。 また通常の増加装甲以外に、SBS社が開発した「SABBLIR」(Santa Barbara Blindaje Reactivo:サンタ・バルバラ社の反応装甲)と呼ばれるERA(爆発反応装甲)を装着することも可能となっており、対戦車ミサイルや携帯式対戦車兵器の成形炸薬弾頭に対する防御力を大幅に高めることができる。 ASCOD LT-105軽戦車の車内レイアウトは車体前部右側が機関室、前部左側が操縦室、車体中央部が全周旋回式砲塔を搭載した戦闘室、車体後部が主砲弾薬庫となっている。 固有の乗員は車長、砲手、装填手、操縦手の4名である。 操縦手席の上部には後ろ開き式の横長楕円形ハッチが設けられており、ハッチの前方には3基のペリスコープが備えられている。 このうち中央のものは、夜間用のパッシブ式暗視ペリスコープに交換することが可能である。 ASCOD LT-105軽戦車の車体後面にはASCOD歩兵戦闘車と同様に右開き式の大型ドアが設けられており、砲塔内の主砲弾薬を撃ち尽くした際には、このドアを開いて後部弾薬庫から予備弾薬を取り出し、砲塔左側面の弾薬補給用ハッチから主砲弾薬の補給を行うようになっている(LMT105砲塔搭載型の場合)。 また車内には、エンジン余熱を利用して操縦室と戦闘室に暖気を送る暖房装置が装備されている。 ASCOD LT-105軽戦車はNBC防護システムを標準装備しているが、本車に搭載されているCAC153-C1システムはNBC状況下において毎分7,500リットルの浄化空気を車内に供給することが可能である。 また被弾時の火災発生に備えて、機関室内にはハロン自動消火システムが設置されている。 |
●機動力 ASCOD LT-105軽戦車のエンジンは、ASCOD歩兵戦闘車のスペイン陸軍向けヴァージョンであるピザロ歩兵戦闘車に採用されているものと同じ、ドイツのMTU社製の8V-183-TE22 V型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(出力600hp)を搭載している。 変速・操向機もASCOD歩兵戦闘車と同様、同国のレンク社製のHSWL106C自動変速・操向機(前進6段/後進6段)を採用している。 エンジンと変速・操向機はパワーパックとして一体となっており、約15分で取り出すことができる。 ASCOD LT-105軽戦車の走行装置は片側7個の転輪と片側3個の上部支持輪、前方の起動輪と後方の誘導輪で構成されており、サスペンションは一般的なトーションバー(捩り棒)方式が採用されている。 第1、第6転輪にはイギリスのホルストマン・ディフェンス・システムズ社製の油圧式ロータリーダンパー、第1、第2、第7転輪には油圧式バンプストップ、第3、第4、第5、第6転輪にはゴム製のバッファーが取り付けられている。 また、履帯張度調整装置も装備されている。 履帯はドイツのディール社が開発した20インチ(508mm)幅のダブルピン式履帯129C4が使用されており、これには必要に応じてゴムパッドを装着できるようになっている。 この足周りによってASCOD LT-105軽戦車は路上最大速度70km/h、路上航続距離500kmの高い機動性能を発揮する。 |
<ASCOD LT-105軽戦車 LMT105砲塔搭載型> 全長: 7.63m 車体長: 6.161m 全幅: 3.15m 全高: 2.76m 全備重量: 28.5t 乗員: 4名 エンジン: MTU 8V-183-TE22 4ストロークV型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル 最大出力: 600hp/2,300rpm 最大速度: 70km/h 航続距離: 500km 武装: 52口径105mm低反動ライフル砲GT7×1 (40発) 7.62mm機関銃×2 (4,600発) 装甲厚: |
<ASCOD LT-105軽戦車 105LRF砲塔搭載型> 全長: 8.28m 車体長: 6.15m 全幅: 3.15m 全高: 2.75m 全備重量: 29.49t 乗員: 4名 エンジン: MTU 8V-183-TE22 4ストロークV型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル 最大出力: 600hp/2,300rpm 最大速度: 70km/h 航続距離: 500km 武装: 52口径105mm低反動ライフル砲×1 (40発) 7.62mm機関銃×2 (4,000発) 装甲厚: |
<参考文献> ・「パンツァー2010年6月号 国際共同開発 ウラン/ピサロ戦闘兵車」 北堀秦安 著 アルゴノート社 ・「パンツァー2013年8月号 第二次大戦後の軽戦車の展望」 大竹勝美 著 アルゴノート社 ・「パンツァー2007年2月号 ASCOD戦闘兵車」 竹内修 著 アルゴノート社 ・「パンツァー1999年12月号 海外ニュース」 アルゴノート社 ・「パンツァー2000年10月号 海外ニュース」 アルゴノート社 ・「世界AFV年鑑 2005〜2006」 アルゴノート社 ・「世界の主力戦闘車」 ジェイソン・ターナー 著 三修社 ・「世界の最新兵器カタログ 陸軍編」 三修社 ・「世界の装軌装甲車カタログ」 三修社 ・「最新陸上兵器図鑑 21世紀兵器体系」 学研 ・「戦車名鑑 1946〜2002 現用編」 コーエー |