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AMOS 120mm自走迫撃砲





「AMOS」(Advanced Mortar System:先進型迫撃砲システム)は、デンマーク、フィンランド、ノルウェイ、スウェーデンの間で交わされた北欧諸国共通の120mm迫撃砲システムを調達するという合意の下、1996年6月にスウェーデンのヘグルンド車両(現BAEシステムズ・ヘグルンド社)と、フィンランドのVAMMAS社が共同開発の契約を取り交わし、計画がスタートした自走迫撃砲システムである。

AMOSの特異な点は120mm迫撃砲を連装で装備していることで、モデルAとモデルBの2種類の試作車が作られた。
モデルAはスウェーデンのIkv.91水陸両用軽戦車の車体を流用して開発され、射撃試験で15秒間に6発の発射速度を達成した。

1997年に完成したモデルBでは、さらに改良が加えられている。
砲塔は2名用の完全密閉式装甲砲塔で、重量は3,300kgである。
この砲塔を搭載する車体にはフィンランド製のAMV装輪式装甲車の他、アメリカ製のM113装甲兵員輸送車やスウェーデン製のCV90歩兵戦闘車などが用いられる。

砲塔は電動駆動により360度の旋回が可能で、120mm迫撃砲は−5〜+85度の俯仰角を有している。
2門の120mm迫撃砲は25口径の長砲身タイプで、砲弾の装填はリボルバー式の半自動機構による後装式を採用している。
発射速度は24発/分と非常に高く、最初の6発は6秒間に発射できる。
最大射程は、軽野砲並の13,000mに達する。

また砲塔タイプの迫撃砲ならではのメリットとして、360度・全周方向への素早い砲撃能力と装甲防御力を有している。
現在、AMOSはフィンランド陸軍とスウェーデン陸軍で運用されているが、フィンランド陸軍のAMOSはAMV装輪式装甲車、スウェーデン陸軍のAMOSはCV90歩兵戦闘車をベース車体として用いている。


<参考文献>

・「パンツァー2004年8月号 輸出商品として注目されているCV90装甲車シリーズ」 林磐男 著  アルゴノート社
・「パンツァー2008年9月号 CV-90戦闘兵車シリーズ」 佐藤慎ノ亮/市川眞作 共著  アルゴノート社
・「パンツァー2007年3月号 新しい迫撃砲システム AMOSとNEMO」 林磐男 著  アルゴノート社
・「パンツァー1999年8月号 CV9040戦闘兵車のファミリー車輌」 小林直樹 著  アルゴノート社
・「パンツァー2004年11月号 ユーロサトリ兵器展」 林磐男 著  アルゴノート社
・「パンツァー2002年9月号 迫撃砲最新事情」 瀬戸明 著  アルゴノート社
・「ウォーマシン・レポート60 現用AFV写真集(1)」  アルゴノート社
・「世界のAFV 2021〜2022」  アルゴノート社
・「グランドパワー2020年10月号 フィンランド軍の戦闘車輌(1)」 齋木伸生 著  ガリレオ出版
・「グランドパワー2006年10月号 ユーロサトリ2006 (2)」 伊吹竜太郎 著  ガリレオ出版
・「グランドパワー2013年9月号 CV90歩兵戦闘車」 伊吹竜太郎 著  ガリレオ出版
・「世界の戦闘車輌 2006〜2007」  ガリレオ出版
・「最新陸上兵器図鑑 21世紀兵器体系」  学研
・「世界の最新兵器カタログ 陸軍編」  三修社
・「世界の装軌装甲車カタログ」  三修社


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