ウェストミンスターのヴィッカーズ・アームストロング社は、1931年にカーデン・ロイド豆戦車をベースとした水陸両用戦車の開発に着手し、1931〜32年にかけて2両の試作車を製作した。
完成した試作車はイギリス陸軍の試験に供されたが、試験時にイギリス戦争省はこの2両の試作車を「A4E11」と「A4E12」と名付けた（「L1E1」と「L1E2」とも呼ばれた）。

両車共に7.7mmヴィッカーズ液冷重機関銃を全周旋回式銃塔に装備しており、足周りはニューブリッジのホルストマン自動車の設計になるリーフ・スプリング（板ばね）式サスペンションを採用していた。
車体後部には水上での操縦用のラダーとスクリューが設けられ、また水密構造の車体の左右側面には補助浮力を確保しフェンダーを兼ねる、トタン板に覆われたバルサ材のフロートが装着された。

この戦車は車体後部に旋回式スクリューを設けたことで、水上での操縦性に優れていた。
結局イギリス陸軍には採用されなかったが海外へは多数輸出され、さらに中国、オランダ領東インド諸島、タイ、ソ連へサンプル車両が売却された。
特にソ連では、この戦車を基にT-37水陸両用軽戦車が開発された。