四式軽戦車（ケヌ車）は、三式軽戦車（ケリ車）と同様に九五式軽戦車（ハ号車）に九七式五糎七戦車砲を装備して火力の強化を図った車両であるが、三式軽戦車が九五式軽戦車と同じ砲塔に5.7cm戦車砲を搭載したために、砲塔内スペースが狭過ぎて主砲の操作が難しくなったことへの反省として、車体側の砲塔リング径を1,350mmに増やし（九五式軽戦車の本来の砲塔リング径は1,000mm）、九七式五糎七戦車砲を装備する九七式中戦車（チハ車）の砲塔をそのまま載せたことが最大の変化である。

これにより四式軽戦車の全高は九五式軽戦車より約20cm高くなり、重量も約1t増加した。
四式軽戦車は三式軽戦車と同じく1944年に試作されたが、三式軽戦車が試作だけに終わったのに対し本車は試作車数両に加えて少数車が九五式軽戦車から改造された。
しかし実戦に参加することは無く、国内での試験に用いられただけであった。

また四式軽戦車に改造されたことで余剰になった九五式軽戦車の砲塔は、地上に設置して簡易トーチカとして使用する研究に用いられたという。
なお、ロシアのクビンカ戦車博物館には四式軽戦車の唯一の現存車両とされるものが展示されているが、この車両は砲塔と車体の間にスペーサーが挿入されているなど実際の車両とは異なる点が見られるため、これは九五式軽戦車の車体と九七式中戦車の砲塔を組み合わせて製作した偽物ではないかといわれている。