日本陸軍が開発した軽戦車としては予想以上に成功を収めた九五式軽戦車（ハ号車）であったが、1941年12月に開戦した太平洋戦争に投入してみると、主砲の37mm戦車砲が火力不足であることが前線から指摘された。
このため、主砲を九七式中戦車（チハ車）と同じ5.7cm戦車砲に換装して火力の強化が図られることになった。
この結果開発されたのが三式軽戦車（ケリ車）で車体、砲塔とも九五式軽戦車のものがそのまま用いられ、砲架などの主砲関係の部分を改修して九七式五糎七戦車砲を装備した。

このため「三式軽戦車」の制式名が与えられてはいるが、九五式軽戦車の派生型の1つに過ぎない。
三式軽戦車は1944年に試作車が製作され試験に供されたが、主砲が5.7cm戦車砲に大型化されたにも関わらず九五式軽戦車の砲塔をそのまま流用したため、砲塔内スペースが狭過ぎて主砲の操作がやり難いという大きな欠点があることが発覚した。
このため、三式軽戦車は試作車が作られたのみで量産には至らなかった。