III号突撃砲C/D型
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+III号突撃砲C型
III号突撃砲C型は、B型から若干のマイナーチェンジが加えられたタイプであり、1941年3〜5月にかけて100両が生産された。
すでに1940年9月13日に行われた、ベルリン・マリーエンフェルデのダイムラー・ベンツ社での協議において、III号突撃砲C型は自走砲用望遠照準眼鏡を装備することが決定されており、現在設けられている観測用開口部は廃止されることとなった。
このため、望遠照準眼鏡の取り付け構造を変更する必要があり、エッセンのクルップ社にこの研究が委託され、1940年9月27日に同社は、新式の長鏡筒身型望遠照準眼鏡がダイムラー・ベンツ社に到着する期日の照会を行っている。
これによると期日は1940年10月1日と決定され、クルップ社は1940年9月30日にダイムラー・ベンツ社の第40工場に次のように通知している。
「私共は、突撃砲への自走砲用望遠照準眼鏡の搭載方法について研究調査を行い、戦闘室天蓋に望遠眼鏡用開口部を設置することを決定いたしました。この場合、望遠眼鏡支持架と照準装置との間隔は高さ方向で80mm、前方向に60mmずらして設定しており、望遠眼鏡の使用範囲については、視界限度は砲方向射界限度と一致しております。また戦闘室側面の傾斜角度は、設計図面番号AKF21011に従って大きくする必要があります。」
1941年3月にIII号突撃砲C型の生産準備の遅延が報告されており、原因は望遠照準眼鏡の装着方法が変更となったため、装甲戦闘室天蓋レイアウトを変更する必要があったためとしている。
砲照準機上方にある2分割の小型クラッペは大型化され、戦闘室天蓋を貫通する潜望式照準機が装着できるよう、新たに右横に開口部が設けられた。
前方に傾斜した戦闘室天蓋前方の両側のレイアウトは変更され、戦闘室前面にあった直接観測用貫通口は廃止された。
戦闘室前面に関するこれらの変更点の他は、III号突撃砲B型とC型の相違点はほとんど無い。
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+III号突撃砲D型
III号突撃砲C型に代わって、1941年5月からD型の生産が開始された。
D型の生産は同年9月まで続けられ、150両が完成している。
III号突撃砲A〜C型との相違点は、伝声管の代わりに車内通話装置を搭載したことであり、その他にはC型とD型には大きな相違は見られない。
基本的にD型は前線での損害補充と、新編制の突撃砲大隊のために追加が必要なIII号突撃砲150両について、ドイツ陸軍兵器局との原契約を単純に拡大しただけであった。
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<III号突撃砲C/D型>
全長: 5.40m
全幅: 2.95m
全高: 1.96m
全備重量: 22.0t
乗員: 4名
エンジン: マイバッハHL120TRM 4ストロークV型12気筒液冷ガソリン
最大出力: 300hp/3,000rpm
最大速度: 40km/h
航続距離: 165km
武装: 24口径7.5cm突撃加農砲StuK37×1 (44発)
7.92mm機関銃MG34×1 (600発)
9mm機関短銃MP40×1
装甲厚: 11〜50mm
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<参考文献>
・「パンツァー2002年8月号 AFV比較論 III号突撃砲/ルノーR35戦車」 白石光 著 アルゴノート社
・「パンツァー2013年4月号 特集 III号突撃砲」 久米幸雄/佐藤肇 共著 アルゴノート社
・「パンツァー2006年7月号 ドイツIII号突撃砲の発展」 久米幸雄 著 アルゴノート社
・「グランドパワー2014年3月号 III号突撃砲 短砲身型」 寺田光男 著 ガリレオ出版
・「グランドパワー2006年1月号 III号突撃砲(1)」 後藤仁 著 ガリレオ出版
・「世界の軍用車輌(1) 装軌式自走砲:1917〜1945」 デルタ出版
・「ジャーマン・タンクス」 ピーター・チェンバレン/ヒラリー・ドイル 共著 大日本絵画
・「突撃砲」 W.J.シュピールベルガー 著 大日本絵画
・「異形戦車ものしり大百科 ビジュアル戦車発達史」 斎木伸生 著 光人社
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