38(t)戦車C/D型
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+38(t)戦車C型
38(t)戦車C型は1940年5~8月にかけて生産された車体製造番号261~370の110両を指し、1939年9月のポーランド侵攻作戦(Unternehmen
Weiß:白作戦)の戦訓から、車体前面の装甲厚を25mmから40mmに強化したのが最大の変化である(戦闘室の前面は以前と同じ25mmのままとされた)。
前面装甲板にはヴァリエーションがあって、上部先端が丸く面取りされているものと角が立っているものがあった。
前面装甲板の左右には最終減速機のギアカバー装備用の円形装甲板が取り付けられていたが、これを固定するアングル材とボルトにも形状や取り付け位置等に幾つかのヴァリエーションがあった。
また一部の車両ではマフラーの装備位置を上方に移したが、これは5基の発煙筒を収める装甲ボックスを追加したためで、以前同様の位置のままで完成した車両も多い。
マフラーを位置変更した車両の場合、間隔表示灯は機関室上部から左側フェンダー上に移設されている。
またバトルアンテナを廃止したため、アンテナ基部はドイツ車両と同じ単純なものに替えられた。
さらに、砲塔周囲に防弾リングを新設したこともC型の特徴といえる。
38(t)戦車B型とC型は主として第7、第8機甲師団の編制に充てられた。
1940年5月に、両師団には228両の38(t)戦車が引き渡されている。
これらは、フランス侵攻作戦で大活躍することになる。
また第8機甲師団は、1941年4月のギリシャ侵攻作戦(Unternehmen Marita:マリータ作戦)でも38(t)戦車を使用して参戦している。
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+38(t)戦車D型
38(t)戦車D型はC型に代わって1940年9~11月にかけて105両生産されたもので、車体製造番号は371~475である。
D型はC型と全く同じ仕様であるため、写真からC/D型を判別することはまず不可能である。
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<38(t)戦車C/D型>
全長: 4.56m
全幅: 2.15m
全高: 2.26m
全備重量: 9.85t
乗員: 4名
エンジン: プラガEPA 4ストローク直列6気筒液冷ガソリン
最大出力: 125hp/2,200rpm
最大速度: 42km/h
航続距離: 210km
武装: 47.8口径3.7cm戦車砲KwK38(t)×1 (90発)
7.92mm機関銃MG37(t)×2 (2,700発)
装甲厚: 8~40mm
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兵器諸元(38(t)戦車D型)
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<参考文献>
・「パンツァー2014年4月号 誌上対決 38(t)戦車 vs M3軽戦車」 久米幸雄 著 アルゴノート社
・「ピクトリアル ドイツ軽戦車」 アルゴノート社
・「世界の戦車
1915~1945」 ピーター・チェンバレン/クリス・エリス 共著 大日本絵画
・「ジャーマン・タンクス」 ピーター・チェンバレン/ヒラリー・ドイル 共著 大日本絵画
・「グランドパワー2013年4月号 ドイツ軽戦車
38(t)」 後藤仁 著 ガリレオ出版 ・「グランドパワー2020年12月号 38(t)軽戦車」 寺田光男 著 ガリレオ出版
・「グランドパワー1999年9月号 ドイツ38(t)軽戦車」 佐藤光一 著 デルタ出版
・「戦車ものしり大百科 ドイツ戦車発達史」 齋木伸生 著 光人社
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