11式短距離地対空誘導弾 基地防空用地対空誘導弾 |
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「11式短距離地対空誘導弾」は、2014年から退役が始まっている「81式短距離地対空誘導弾」(通称:短SAM)の後継として国産開発された短射程地対空ミサイル・システムである。 1995年に陸上自衛隊に採用された短SAMの改良型である「81式短距離地対空誘導弾(C)」(通称:短SAM改)は妨害に強く、撃破率の高い対空ミサイル・システムであったが、超低空飛行してくる巡航ミサイルへの対処能力が不足しているとして航空自衛隊には採用されなかった。 その後短SAM改の制式化から10年経った2005年度に、後継ミサイルの開発が「短SAM(改II)」の名称で開始されることになったが、この短SAM(改II)では機動性の高い戦闘爆撃機の他、巡航ミサイル、超音速で飛翔する空対地ミサイルへの対処能力が求められることとなった。 またヘリコプターや輸送機で空輸できることと、低コスト化も要求された。 短SAM(改II)の試作・生産の主契約者は、短SAM、短SAM改と同じく東芝が指名された。 短SAM(改II)は基本的な構成、運用法は短SAMと変わらないが、新しい高射特科用ネットワーク・対空戦闘指揮システム(ADCCS)とリンクし、レーダーはアクティブ・フェイズド・アレイ(能動型位相配列)方式に、短SAMでは2種類あったミサイルはアクティブ・レーダー誘導のみになっている。 発射装置の自動装填装置は無くなり、架台上に誘導弾(ミサイル)を収めた格納容器4本を横1列に並べた常識的な形に変わった。 短SAM(改II)は2011年に「11式短距離地対空誘導弾」として陸上自衛隊に制式採用され、2011年度予算でまず3セット(66億円)の調達が開始された。 今後、短SAMの後継として師団/旅団の高射特科大隊/中隊に配備される予定である。 なお航空自衛隊も、11式短距離地対空誘導弾と同じ射撃管制装置と誘導弾を用いた対空ミサイル・システムを「基地防空用地対空誘導弾」として採用している。 11式短距離地対空誘導弾と基地防空用地対空誘導弾は基本的に同じシステムであり、いずれも車載式の射撃管制装置と誘導弾発射装置で構成されるが、誘導弾発射装置のプラットフォームに陸自はいすゞ自動車製の3 1/2tトラック、空自はトヨタ自動車製の高機動車を使用している点が異なる。 陸自と空自で対空ミサイル・システムを共通化したことにより、開発費を約113億円節減できたという。 |
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<誘導弾> 全長: 2.93m 直径: 0.16m 翼幅: 発射重量: 103kg 弾頭重量: 誘導方式: アクティブ・レーダー 最大飛翔速度: 有効射程: 有効射高: |
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<参考文献> ・「陸上自衛隊「装備」のすべて 知られざる戦闘力の秘密に迫る」 毒島刀也 著 SBクリエイティブ ・「パンツァー2023年2月号 令和4年度第1次対空実射訓練 11式短SAM実射訓練」 アルゴノート社 ・「パンツァー2018年11月号 第8高射特科大隊の11式短SAM実射訓練」 アルゴノート社 ・「パンツァー2012年1月号 陸上自衛隊 21世紀の新装備」 三鷹聡 著 アルゴノート社 ・「パンツァー2022年1月号 第14高射特科隊 11短SAM対空実射訓練」 アルゴノート社 ・「パンツァー2009年1月号 開発中の陸自新装備」 柘植優介 著 アルゴノート社 ・「パンツァー2015年12月号 陸上自衛隊 対空装備の半世紀」 アルゴノート社 ・「パンツァー2014年6月号 下志津高射学校のつつじ祭り」 アルゴノート社 ・「パンツァー2021年2月号 11式短SAM 対空実射訓練」 アルゴノート社 ・「パンツァー2014年6月号 今月のトピックス」 アルゴノート社 ・「パンツァー2014年12月号 今月のトピックス」 アルゴノート社 ・「陸上自衛隊の車輌と装備 2012〜2013」 アルゴノート社 ・「世界のAFV 2021〜2022」 アルゴノート社 ・「世界の戦車完全図鑑」 コスミック出版 ・「自衛隊装備年鑑」 朝雲新聞社 |
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