10式戦車
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+開発
10式戦車は、陸上自衛隊が保有する戦後第3.5世代MBT(主力戦車)であり、防衛省の技術研究本部(Technical Research and
Development Institute:TRDI)が、旧式化した74式戦車の代替車両として開発したものである。
本車は、「TK-X」の試作呼称で1996年度から部分試作が開始され、2002年度から全体試作が開始された。
TK-Xの開発の中心となったのは、これまでの陸自MBTと同じくTRDIの第4研究所(2006年7月に陸上装備研究所に改組、神奈川県相模原市)である。
TK-Xの試作・生産の主契約者は、旧軍時代から日本の戦車開発の中心を担ってきた三菱重工業で、日本製鋼所が主砲と自動装填装置、ダイキン工業が主砲弾薬の開発を担当した。
TK-Xの試作車は4両製作され、2004〜08年度にかけて技術試験が続けられて、試験において判明した各種不具合の改良が行われ、2009年度には陸上自衛隊による運用試験が実施された。
運用試験の結果、TK-Xは陸上自衛隊の次期MBTとして充分な性能を備えていると評価されたため、2009年12月の防衛省装備審査会議において、陸上自衛隊の次期MBT「10式戦車」として採用することが正式決定された。
10式戦車は2008年2月13日にTRDIにおいて、「新戦車」の呼称で試作第2号車が初めて報道陣に公開された後、2010年7月11日に静岡県駿東郡小山町の陸上自衛隊富士学校で開催された開設56周年記念行事において、試作第1、第3号車による走行展示が行われ、これが10式戦車の最初の一般公開となった。
同年8月29日に静岡県御殿場市の東富士演習場で行われた総合火力演習の一般観覧では、試作第3号車が装備品展示に参加し、10月16日に茨城県稲敷郡阿見町の陸上自衛隊武器学校で行われた開設58周年記念行事では、試作第2号車が初めて一般公開された。
2010年10月24日に埼玉県の朝霞訓練場で開催された第47回中央観閲式では、試作第1号車が装備品展示に参加している。
10式戦車の4両の試作車の内、試作第1号車は朝霞駐屯地の陸上自衛隊広報センターに展示されている。
試作第2号車は現在武器学校に置かれ、10式戦車の運用に携わる人員の教育に用いられている。
試作第3号車は現在富士学校に置かれ、各種試験や研究に用いられている。
試作第4号車は写真が公開されているのみで実車は一度も公開されていないが、現在TRDIにおいて各種試験や、コンポーネントの検証作業に供されているのではないかと推測されている。
10式戦車の試作第1、第2号車は、砲塔上面右側の車長用キューポラのハッチが、陸自MBTとしては珍しくスライド式になっているが、試作第3号車は90式戦車と同じ後ろ開き式の車長用ハッチに変更されており、車体前部にはドーザー・ブレイドが取り付けられている。
2012年1月10日には富士学校において10式戦車入魂式が挙行され、10式戦車の生産型が初めて公開された。
生産型は試作車から細部に様々な変更が加えられており、特に砲塔周りの変更点が目立つ。
砲口照合装置や砲腔照準鏡は位置が変更されており、砲塔部の外装式モジュール装甲も、収納ハッチや発煙弾発射機の開口部の形状が変更されている。
10式戦車の生産型は2011年度中に13両が陸上自衛隊に引き渡されており、富士学校の戦車教導隊から配備が進められている模様である。
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+攻撃力
10式戦車の主砲は、90式戦車と同じく44口径120mm滑腔砲が搭載されているが、90式戦車の主砲がドイツのラインメタル社製の120mm滑腔砲Rh120のライセンス生産品だったのに対し、10式戦車の主砲は日本製鋼所が独自開発した国産の120mm滑腔砲が採用されている。
なお90式戦車も試作段階では、日本製鋼所が製作した国産の120mm滑腔砲の採用が検討されていた。
射撃試験において日本製綱所製の120mm滑腔砲は、ラインメタル社製砲を上回る装甲貫徹力を発揮したが、この国産120mm滑腔砲は、ラインメタル社製砲をライセンス生産するよりも製造コストが高かったため、性能的に上回っていたにも関わらず結局採用されなかった経緯がある。
その後、日本製鋼所は90式戦車用の120mm滑腔砲のライセンス生産を一貫して行ってきており、120mm滑腔砲の製造の充分な経験を積んだ。
この経験と持ち前の高い技術力を活かして、日本製鋼所は10式戦車用に独自の120mm滑腔砲を開発したのである。
10式戦車に搭載されている国産120mm滑腔砲は、90式戦車に搭載されたラインメタル社製のRh120とはやや外見が異なっている。
砲身途中にある排煙機はやや小型化されて位置が基部方向に少し移動しており、温度の影響による歪みを補正するために砲身を覆っているサーマル・スリーブの形状もやや異なっている。
砲口部に装着される砲腔照準鏡についても、10式戦車の試作車では90式戦車と同様に砲口部の左側に取り付けられていたのが、生産型では逆の右側に変更されている。
これに併せて、試作車では主砲防盾の上部に設けられていた砲口照合装置が、生産型では主砲の右側に移設されている。
国産120mm滑腔砲は外見の違い以外にも、砲システム全体の重量がRh120より軽量化されており、ダイキン工業が開発した新型の120mmAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)である、徹甲弾III型を使用できるようになっている。
徹甲弾III型の性能については公表されていないが、ラインメタル社製の120mmAPFSDSの中で現在主力となっているDM53と同等か、やや上回る性能と推測されている。
DM53は44口径120mm滑腔砲で発射した場合砲口初速1,670m/秒、射距離2,000mで650mm厚のRHA(均質圧延装甲板)を貫徹可能とされている。
現在、EU諸国を中心に広く普及しているドイツ製のレオパルト2A6戦車は、ラインメタル社製の55口径120mm滑腔砲Rh120-L55を搭載し、韓国が開発したK2「黒豹」(フクピョ)戦車も同じ主砲を採用している。
またフランスのルクレール戦車は、GIAT社(現ネクスター社)製の52口径120mm滑腔砲CN-120-26を装備しており、世界的にMBTの主砲はより長砲身の120mm滑腔砲が主流となりつつある。
これに対して10式戦車は、50〜55口径の長砲身120mm滑腔砲も搭載できるように最初から設計されており、他国のMBTの火力や装甲防御力が向上して44口径砲では威力不足となった場合、より長砲身の120mm滑腔砲に換装することでこれに対処できるよう考慮されている。
10式戦車の副武装は90式戦車と同様で、主砲と同軸に住友重機械工業製の74式車載7.62mm機関銃を1挺、砲塔上面にアメリカのブラウニング火器製作所製の12.7mm重機関銃M2を1挺装備している。
90式戦車では、車長用キューポラと砲手用ハッチの中間前寄りにピントルマウントを設けて、12.7mm重機関銃M2を装備していたが、10式戦車では車長用キューポラの周囲にリングマウントを設けて装備するように変更されており、12.7mm重機関銃M2はリングに沿って好きな方向に移動できるため使い勝手が良くなっている。
また10式戦車の生産型では、車長用キューポラ上面のハッチもリングに沿って開閉位置を変更できるようにされており、開閉位置が固定されていた従来の陸自MBTより使い勝手が向上している。
10式戦車のFCS(射撃統制装置)は、大容量のディジタル弾道コンピューターを中心とする進歩したものを搭載しており、昼/夜間を問わず走行中でも高い主砲命中精度を実現している。
砲手には砲塔上面左側前方に潜望式のサイト、車長には砲塔上面右側後方に全周旋回が可能な展望式のサイトがそれぞれ用意されており、砲手が目標を攻撃する間に車長が次の目標を捜索・捕捉する、ハンター・キラー的な運用が可能となっている。
いずれのサイトも2軸が安定化されており、Nd-YAG(ネオジム-イットリウム・アルミ・ガーネット)レーザー測遠機と夜間視察用の熱線映像装置を内蔵している。
また、車長用サイトは砲手用サイトへのオーバーライド機能を持っており、車長が砲手に代わって主砲の操作を行うことも可能である。
砲塔上面最後部にはポール状の環境センサーが装備されており、センサーで検知した風向と風速のデータを主砲の弾道計算に反映させることで、特に走行間射撃時の主砲命中率を向上させるのに貢献する。
なお、10式戦車のFCSは基本的に国産のコンポーネントで構成されているが、この環境センサーについてはフランスのタレス社製のものが用いられている。
また10式戦車は、最近のMBTで必須の機能となりつつあるC4Iシステムの運用が可能となっている。
C4Iとは”Command(指揮),Control(統制),Communications(通信),Computers(コンピューター),and Intelligence(情報)”の略語で、軍隊におけるこれら5要素の管理機能がC4I機能である。
陸上自衛隊の戦車連隊では2007年度から、「戦車基幹連隊指揮統制システム」(T-ReCs:Tank-Regiment Command Control
System)と呼ばれるC4Iシステムの運用を開始している。
T-ReCsは戦車連隊/大隊本部に設置される中央処理装置と、中隊以上の部隊本部が装備するラップトップ型端末、中隊以下の部隊が装備する携帯型端末を用い、各部隊の情報の共有化と指揮統制の効率化を図るものである。
陸上自衛隊では、第2戦車連隊が装備する90式戦車にT-ReCsの端末の搭載を開始しているが、90式戦車はC4I機能を付加できるように設計されていないため運用に制約がある。
このことが10式戦車が開発された大きな理由の1つであり、90式戦車と同等の火力と防御力を備え、本州での運用を考慮して車体の軽量化とコンパクト化を図り、高度なC4Iシステムを運用できるMBTとして誕生したのが10式戦車というわけである。
10式戦車は高度なC4I機能を付加することを想定して設計されているため、将来的にT-ReCsより高度なC4Iシステムが導入されても対応することが可能である。
T-ReCsは、本部と各部隊の情報共有と指揮統制に用いられる他、部隊内の各戦車が各自の位置や敵情報を相互に交換し、車内のディスプレイで見ることもできるようになっており、10式戦車はT-ReCsによって部隊単位の戦闘力が大幅に向上することが期待できる。
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+防御力
10式戦車の車内レイアウトは一般的なもので、車体前部が操縦室と主砲弾薬庫、車体中央部が全周旋回式砲塔を搭載した戦闘室、車体後部がエンジンや変速・操向機、冷却装置を収納した機関室となっている。
10式戦車の車体と砲塔は圧延防弾鋼板の全溶接構造で、車体前面と砲塔の前/側面には新開発の外装式モジュール装甲が装着されている。
このモジュール装甲は2層構造になっており、外側の層が化学エネルギー(CE)弾対策の空間装甲、内側の層が防弾鋼板の箱の中にチタン合金の外殻で拘束したセラミック板を、ハニカム構造に何層も敷き詰めた複合装甲になっていると推測されている。
90式戦車では砲塔側面に、外装式に左右各4基ずつ76mm発煙弾発射機が取り付けられていたが、10式戦車では砲塔前面左右のモジュール装甲の最外部上面に、左右各4基ずつ76mm発煙弾発射機が内蔵されている。
このことからも、モジュール装甲の外側部分が空間装甲であることが分かる。
なお10式戦車の試作車では、砲塔前面左右のモジュール装甲上面には、4基の発煙弾発射機それぞれに対応する円形の穴が4個設けられていたが、生産型では1個の縦長の楕円形の穴にまとめられて簡素化されている。
また砲塔のモジュール装甲は、外側の空間装甲部分を収納スペースとして利用できるようになっており、側面装甲板にはブロックごとに収納ハッチが設けられている。
この収納ハッチは10式戦車の試作車では、モジュール装甲側面上部の傾斜面まで上開き式に開くようになっていたが、生産型では垂直面のみ前開き式に開くように変更されている。
砲塔のモジュール装甲は試作車と生産型では形状や構成も変更されており、試作車では側面が2分割式だったのが、生産型では3分割式になり分割ラインも変更されている。
外装式モジュール装甲はフランスのルクレール戦車、イスラエルのメルカヴァMk.III/IV戦車、韓国のK2戦車などにも導入されており、最近のMBTでは必須の機能となりつつある。
10式戦車は想定される脅威の度合いに応じて、複数のモジュール装甲を使い分けることで防御力の調整が容易にできるようになっており、より高い防御力が必要な場合には、外側の層も複合装甲にした重装甲タイプのモジュール装甲(総重量約8t)に換装することで迅速に防御力を強化できる。
10式戦車の外装式モジュール装甲(通常タイプ)の総重量は約4tで、これを全て取り外した場合、10式戦車の重量は約40tになる。
戦闘重量50.2tの90式戦車の場合、車両を分割せずに積載できるトランスポーターは特大型運搬車だけであったが、モジュール装甲を取り外した状態の10式戦車の場合は、73式特大型セミトレーラや民間の特大型トレーラーで輸送することも可能になるため、90式戦車よりも柔軟な運用を行うことができる。
10式戦車は、外装式モジュール装甲(通常タイプ)を装着した状態で戦闘重量44tとされており、90式戦車より6t以上軽量になっているが、装甲防御力については90式戦車と同等とされている。
これは20年の技術の進歩により、軽量で強度の高い新素材が使用できるようになったことや、各部の設計を工夫することで、極力防御力を落とさずに重量を削減する等の努力を積み重ねたことが貢献していると思われる。
また後述する新型サスペンションの導入も、10式戦車の軽量化に大きく貢献している。
10式戦車の装甲防御力の具体的な数値については、重要機密であるため公表されていないが、外装式モジュール装甲(通常タイプ)を装着した状態で90式戦車と同等の防御力を有しているとされていることから、この状態において砲塔と車体の前面で、運動エネルギー(KE)弾に対してRHA換算で700mm程度、CE弾に対してRHA換算で1,500mm程度の装甲防御力を有しているのではないかと推測される。
10式戦車の車体側面には、90式戦車と同様にサイドスカートが装着されているが、90式戦車のサイドスカートが圧延防弾鋼板製だったのに対し、10式戦車のサイドスカートは圧延防弾鋼板製の上部と、ラバー薄板の下部に分かれている。
なお、10式戦車の試作車ではサイドスカートは7分割式になっていたが、生産型では6分割式に変更されている。
サイドスカート上部の圧延防弾鋼板の装甲厚は薄いため、この部分の防御力は小口径弾の直撃や榴弾の破片に耐えられる程度で、敵戦車の主砲から発射されるKE弾に対してはあまり効果が無いと思われる。
しかし、サイドスカートと車体側面装甲板の空間が空間装甲の役目を果たすため、HEAT弾や対戦車ミサイル等の、CE弾の装甲穿孔力を減少させるのには一定の効果が見込める。
サイドスカートの下部がラバー薄板になっているのは、転輪が走行時に熱を持つため、敵の赤外線センサーで検知されないよう覆い隠すことを重視したためである。
90式戦車のように、サイドスカート下部まで防弾鋼板だと走行時に邪魔になるので、10式戦車ではサイドスカート下部を柔らかいラバー製にすることで、広い面積を覆うようにしている。
またこのラバー薄板は、CE弾対策の空間装甲の役目も果たしている。
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+機動力
10式戦車の足周りは前方の誘導輪、後方の起動輪、片側5個の中直径転輪と片側3個の上部支持輪で構成されており、90式戦車に比べて転輪数が片側1個減らされている。
転輪数を減らしたのは、軽量化および製造コスト低減が主な理由と思われるが、戦車が信地旋回や超信地旋回を行う際には、転輪数が奇数の方がスムーズに行えるといわれていることから、このことも転輪数の変更に影響しているかも知れない。
なお10式戦車の試作段階において、転輪数が90式戦車と同じ片側6個になっている車両が存在したことが写真で確認されている。
これは、性能比較用に製作された6転輪型のTK-Xの車体と、試作第3号車もしくは第4号車の砲塔を組み合わせたものではないかと推測されており、5転輪型と6転輪型のTK-Xを用いて性能比較試験を行った結果、最終的に10式戦車は5転輪型のMBTとして誕生したのである。
10式戦車のサスペンションは、90式戦車と同じく油圧によって高さを調節できる油気圧式サスペンションが採用されている。
ただし、90式戦車は前後の4軸が油気圧式サスペンションで、中央の2軸はトーションバー(捩り棒)式サスペンションだったが、10式戦車は全軸が油気圧式サスペンションになっている。
90式戦車では、この機構により車体を前後方向に傾けることができたため、これを利用して主砲の実質的な俯仰角を増大させることができた。
10式戦車ではこの前後方向の高さ調節に加えて、74式戦車のように左右方向の高さ調節も行えるようになっており、車体を左右に傾けることで、主砲を横に向けた場合にも大きな俯仰角を取ることができるようになった。
なお10式戦車は転輪数を片側5個に減らしているため、油気圧式サスペンションのアクチュエイターに掛かる負荷は90式戦車より増加している。
油気圧式サスペンションを採用している戦後第3世代MBTで、転輪数が片側5個のものは10式戦車以外に存在せず、このような強力なアクチュエイターを開発した日本の技術力の高さが伺える。
また10式戦車の油気圧式サスペンションは、可変ダンパーを備えたセミアクティブ方式で、車体の加速度等を検出して自動的にサスペンションの挙動を制御するようになっており、機動性能の向上に貢献している。
このセミアクティブ・サスペンションは、10式戦車が主砲の射撃を行う際に、反動を大幅に減少させる役割も果たしている。
120mm級の戦車砲を安定して射撃するには、射撃時の反動を吸収するために最低50tの車体重量が必要といわれており、10式戦車はこのセミアクティブ・サスペンションの実用化により、車体の大幅な軽量化が可能になったのである。
10式戦車のエンジンは、三菱重工業が新たに開発した8VA34WTK 4ストロークV型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(出力1,200hp)が搭載されている。
90式戦車に搭載された、同社製の10ZG32WT 2ストロークV型10気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジンは出力が1,500hpだったので、10式戦車はエンジン出力が二割程度低下している。
しかし10式戦車の戦闘重量は44tと、90式戦車の50.2tから大幅に軽量化されているため出力/重量比はあまり変化しておらず、新開発の無段階自動変速・操向機の採用により動力の伝達効率が向上したことも手伝って、10式戦車は90式戦車と同じく路上最大速度70km/hの機動性能を発揮できる。
また、90式戦車の2ストロークエンジンから4ストロークエンジンに変更されたため、信頼性や燃費効率は10式戦車のエンジンの方が上回っている。
4ストロークエンジンの欠点であるサイズの大きさも、気筒数が90式戦車の10から8に減らされたことと、可変ノズルを備えた新型のターボチャージャーの採用により、コンパクトなエンジンを実現している。
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<10式戦車>
全長: 9.485m
車体長: 7.50m
全幅: 3.24m
全高: 2.30m
全備重量: 44.0t
乗員: 3名
エンジン: 三菱8VA34WTK 4ストロークV型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル
最大出力: 1,200hp/2,300rpm
最大速度: 70km/h
航続距離: 300km
武装: 44口径120mm滑腔砲×1
12.7mm重機関銃M2×1
74式車載7.62mm機関銃×1
装甲: 複合装甲
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<参考文献>
・「パンツァー2013年5月号 明らかになった10式戦車の機能とその問題点」 江坂拓/三鷹聡 共著 アルゴノー
ト社
・「パンツァー2018年10月号 今こそ問う 10式戦車の存在意義」 岩本三太郎 著 アルゴノート社
・「パンツァー2012年3月号 10式戦車生産型の部隊配備開始!」 柘植優介 著 アルゴノート社
・「パンツァー2010年9月号 特集 10式戦車」 柘植優介/木元寛明 共著 アルゴノート社
・「パンツァー2011年11月号 特集 10式戦車」 三鷹聡/竹内修 共著 アルゴノート社
・「パンツァー2013年11月号 10式戦車の問題点を探る」 竹内修 著 アルゴノート社
・「パンツァー2012年4月号 10式戦車プロトタイプのミステリー」 アルゴノート社
・「パンツァー2011年1月号 10式戦車のディテール」 アルゴノート社
・「世界のAFV 2021〜2022」 アルゴノート社
・「グランドパワー2010年9月号 陸自 10式戦車試作車」 伊吹竜太郎 著 ガリレオ出版
・「グランドパワー2012年3月号 陸自 10式戦車生産型」 伊吹竜太郎 著 ガリレオ出版
・「10式戦車と次世代大型戦闘車」 ジャパン・ミリタリー・レビュー
・「戦後の日本戦車」 古是三春/一戸崇雄 共著 カマド
・「自衛隊新戦車パーフェクトガイド」 イカロス出版
・「新・世界の主力戦車カタログ」 三修社
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