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Sd.Kfz.251/22 7.5cm対戦車自走砲





●Sd.Kfz.251/22 7.5cm対戦車自走砲

Sd.Kfz.251/22は「可能な限り既存の車両を使った対戦車自走砲を生産せよ」というヒトラーの個人的命令により、8輪装甲車ベースのSd.Kfz.234/4と同時期に開発された対戦車自走砲である。
本車の生産が開始されたのは大戦終盤の1944年12月からで、従ってベースとなったのは全てSd.Kfz.251装甲兵員輸送車D型である。

Sd.Kfz.251/22の主砲に採用されたのは、ドイツ陸軍の主力対戦車砲であったデュッセルドルフのラインメタル・ボルジヒ社製の46口径7.5cm対戦車砲PaK40で、牽引砲の揺架から上を防盾ごと搭載していた。
戦闘室前部の天井は砲搭載のために一部が切り欠かれており、最前部中央には主砲のトラヴェリング・クランプが取り付けられていた。

戦闘室内の装備品は左側後部のベンチシート以外は取り外してあり、砲台座の基礎として床板左右の中程から前部の天井に向けて斜めのフレームが溶接されていた。
その傾斜フレームの途中に三角形の支持板が取り付けられ、そこの上にC型鋼材で組まれた水平の台座が取り付けられた。

主砲の旋回角は左29度、右18度、俯仰角は−3〜+22度となっていた。
砲台座傾斜フレームの右側壁には7.5cm砲弾17発分の収納箱があり、フレーム内側にも5発分の収納箱があった。
反対の左側壁には円筒形砲弾ケース用ラックが設けられており、車体後部も砲弾ケース搭載スペースとして使用された。

乗員は操縦手1名と砲手3名で、前方右側シートは無くヴァイザーも装甲板で塞がれていた。
Sd.Kfz.251/22は1945年型編制によると機甲師団内の戦車駆逐大隊に9両、機甲偵察大隊に3両、砲兵小隊に6両が配備される予定であった。
Sd.Kfz.251/22の生産は敗戦直前の1945年2月まで続けられており、少なくとも95両が完成したことが判明している。

また1944年12月4日付のヒトラーの指示により、既存のSd.Kfz.251/1装甲兵員輸送車をSd.Kfz.251/22に改修するキットが製作され、これを用いて68両のSd.Kfz.251/1がSd.Kfz.251/22に改修されている。
IV号戦車の主砲に匹敵する長砲身7.5cm砲を、エンジン出力がIV号戦車の1/3しかないSd.Kfz.251装甲兵員輸送車に無理やり搭載した本車は、実際にはかなりのオーバーウェイトで機動性が悪く、主砲の搭載位置が高過ぎて射界が制限される欠点もあったため、実戦で期待したほどの戦果を収めることはできなかったようである。


<Sd.Kfz.251/22 7.5cm対戦車自走砲>

全長:    5.98m
全幅:    2.10m
全高:
全備重量:
乗員:    4名
エンジン:  マイバッハHL42TUKRM 直列6気筒液冷ガソリン
最大出力: 100hp/2,800rpm
最大速度:
航続距離:
武装:    46口径7.5cm対戦車砲PaK40×1 (22発)
装甲厚:   6〜14.5mm


<参考文献>

・「パンツァー2001年11月号 AFV比較論 Sdkfz.251/M3ハーフトラック」 斎木伸生 著  アルゴノート社
・「パンツァー2010年12月号 ドイツ対戦車砲の主力 7.5cmPaK40 (1)」 稲田美秋 著  アルゴノート社
・「ピクトリアル ドイツ軍ハーフトラック」  アルゴノート社
・「グランドパワー2012年7月号 ドイツ装甲兵員輸送車写真集(2)」 後藤仁 著  ガリレオ出版
・「グランドパワー2007年9月号 ドイツ装甲兵員輸送車(1)」 後藤仁 著  ガリレオ出版
・「SdKfz251」 山本敬一 著  デルタ出版
・「ジャーマン・タンクス」 ピーター・チェンバレン/ヒラリー・ドイル 共著  大日本絵画
・「図解・ドイツ装甲師団」 高貫布士 著  並木書房


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