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K-17歩兵戦闘車





●開発

K-17歩兵戦闘車は、ロシア陸軍が新たに開発した8×8型装輪式プラットフォーム「ブメラーング」(Bumerang:ブーメラン)シリーズの一環として開発された装輪式IFVである。
同じ「ブメラーング」シリーズの装輪式APCであるK-16装甲兵員輸送車と多くのコンポーネントが共通化されており、開発・運用に掛かるコストの低減が図られている。

ロシア陸軍は旧ソ連時代から8×8型の装輪式APCシリーズ(BTR-60/70/80等)を多用してきたが、従来運用してきたこれら装輪式APCシリーズ全般を、新たに開発した「ブメラーング」プラットフォームを用いた装輪式車両ファミリーで置き換えることを現在計画している。
この「ブメラーング」ファミリーの中心となるのが、K-17歩兵戦闘車とK-16装甲兵員輸送車である。

「ブメラーング」プラットフォームはVPK(Voyenno-Promyshlennaya Kompaniya:軍需生産企業)の手で開発が進められ、2013年に試作車が完成した。
「ブメラーング」は同時期にKMZ(Kurganmashzavod:クルガン機械工場)の手で開発が進められた、ロシア陸軍の新型中装軌式プラットフォーム「クルガニェツ25」と多くのコンポーネントが共通化されている。

これは両者の開発・運用に掛かるコストを低減するためであり、かつてフランス陸軍が6×6型装輪式のAMX-10RC戦闘偵察車と、装軌式のAMX-10P歩兵戦闘車を並行して開発した際にコンポーネントの共通化を図った事例とよく似ている。

K-17歩兵戦闘車およびK-16装甲兵員輸送車は2015年から量産が開始されているが、ロシア陸軍は両者を合計で2,000両以上調達することを希望しており、これによって既存の装輪式APCシリーズを一気に代替する予定である。
さらに「ブメラーング」ファミリーは装甲救急車、装甲指揮車、装甲偵察車、自走対戦車ミサイル、対空ミサイル・システム、対戦車自走砲、自走榴弾砲、自走迫撃砲等の多くの派生型の開発が計画されている。


●攻撃力

K-17歩兵戦闘車の車内レイアウトは車体前部右側がエンジンや変速機を収めた機関室、前部左側が操縦室、車体中央部が車長と砲手が位置する戦闘室、車体後部が兵員室という装輪式IFVとして一般的なものである。
従来のロシア製装輪式装甲車は車体後部に機関室を配置していたため、車体後面から兵員の乗降を行うことができないという欠点があったが、「ブメラーング」シリーズでは機関室が車体前部に移されたため、車体後面に兵員の乗降用ドアを設けることができるようになった。

ただしK-17歩兵戦闘車は砲塔が無人化されている点が、他国の装輪式IFVと大きく異なる。
K-17歩兵戦闘車は車体中央部の戦闘室上に、車内から遠隔操作できる全周旋回式の無人砲塔を搭載している。
この砲塔はトゥーラの制御システム開発設計局(KBP)が開発したもので、「ブメラーングBM」もしくは「エポック」(画期的なもの)という名称が与えられている。

この砲塔は「アルマータ」ファミリーのT-15歩兵戦闘車や、「クルガニェツ25」ファミリーのB-11歩兵戦闘車に装備されているものと同じものであり、コンポーネントの共通化が図られている。
K-17歩兵戦闘車の武装は砲塔前面に装備された80.5口径30mm機関砲2A42と、同軸に装備された7.62mm機関銃PKTが各1門ずつ、さらに砲塔の左右側面に9M133「コルネットEM」対戦車ミサイルの連装発射機が1基ずつ装備されている。

この30mm機関砲とATMという武装の組み合わせは、BTR-90歩兵戦闘車を踏襲している。
30mm機関砲2A42は、3UBR8 APDS(装弾筒付徹甲弾)を用いた場合砲口初速1,120m/秒、射距離1,500mにおいて25mmのRHA(均質圧延装甲板)を貫徹可能である。
さらに、M929 APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)を用いた場合は射距離1,000mで55mm、2,000mで45mmのRHAを貫徹することが可能である。

K-17歩兵戦闘車の搭載弾薬数は30mm機関砲弾が500発(徹甲弾160発、榴弾340発)、7.62mm機関銃弾が2,000発となっている。
一方、9M133「コルネットEM」対戦車ミサイルは最大有効射程8,000mで、ERA(爆発反応装甲)対策として二重弾頭を備えており、射距離に関わらず1,300mmのRHAを穿孔可能である。


●防御力

K-17歩兵戦闘車は戦闘重量がBTR-80装甲兵員輸送車の2倍近い25tに増加していることから、従来のロシア製装輪式装甲車に比べて装甲防御力が格段に向上しているものと推測される。
またK-17歩兵戦闘車はセラミックを内蔵した複合装甲を導入しているといわれており、HEAT弾や対戦車ミサイル等の成形炸薬弾に対する防御力が大きく向上している模様である。

K-17歩兵戦闘車の後部兵員室内には、7名分の座席が向かい合わせに設けられている。
座席はパイプフレームにキャンバス・シートを張ったような簡素な造りだが、対戦車地雷に対する安全性を高めるために床には取り付けられず、天井から吊り下げる形が採られている。


●機動力

K-17歩兵戦闘車に搭載されているエンジンは、ヤロスラヴリ発動機工場製のYaMZ-780 V型6気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(出力750hp)で、これは「クルガニェツ25」ファミリーのB-11歩兵戦闘車やB-10装甲兵員輸送車が搭載しているエンジンと同じものである。
このエンジンによりK-17歩兵戦闘車は路上最大速度100km/h、路上航続距離800kmの機動性能を発揮する。

また本車は浮航性能を備えており、車体後部に設けられたウォーター・ジェットにより水上を10km/hの速度で航行することが可能である。
車体前面上部には水上浮航時に使用する波切り板が設けられており、これは補助装甲の役割も果たしている。


<K-17歩兵戦闘車>

全長:    
全幅:    
全高:    
全備重量: 25.0t
乗員:    3名
兵員:    7名
エンジン:  YaMZ-780 4ストロークV型6気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル
最大出力: 750hp/2,300rpm
最大速度: 100km/h(浮航 10km/h)
航続距離: 800km
武装:    80.5口径30mm機関砲2A42×1 (500発)
        7.62mm機関銃PKT×1 (2,000発)
        9M133コルネットEM対戦車ミサイル連装発射機×2 (4発)
装甲厚:


<参考文献>

・「パンツァー2012年10月号 登場なるか!? ロシアの次世代装甲車輌」 鹿内誠 著  アルゴノート社
・「ウォーマシン・レポート48 ニュールック ロシア軍AFV」  アルゴノート社
・「世界の戦車パーフェクトBOOK」  コスミック出版


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