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FAI軽装甲車





1932年にそれまで製作されていたD-8やD-12等の偵察用軽装甲車の運用経験を踏まえ、レニングラード(現サンクトペテルブルク)のイジョーラ工場で本格的な軽装甲車を目指して開発されたのが、「FAI」(Ford-A Izhorskiy:イジョーラ工場のフォードA)軽装甲車である。
本車は、アメリカのフォード社製のモデルA 4輪トラックをゴーリキー自動車工場(GAZ)が国産化したGAZ-Aトラックをベースに、最初から全周旋回式の機関銃塔を搭載した偵察用軽装甲車として設計・開発された。

乗員は2名、約2tの総重量で路上最大速度80km/h、路上航続距離160〜200kmの良好な機動性能と、量産性の良い厚さ6mmの圧延防弾鋼板を主に溶接して組み立てた装甲ボディ、適切な武装(7.62mm機関銃DT1挺)は極めて実用性が高いものと評価された。
FAI軽装甲車は1932〜36年にかけてイジョーラ工場で676両が生産され、本格的な大量生産型装甲車の先駆けとなった。

そして1936年に勃発したスペイン内戦にも投入された他、1939年のハルハ川戦役(ノモンハン事件)と東部ポーランド侵攻、1939〜40年の対フィンランド戦争、1941年からの独ソ戦で実戦に使用された。
1938年にはさらに改良されたGAZ-M1トラックをベースとし、機関銃塔をT-28中戦車等と共用にした上、装甲ボディのデザインをより簡素化して量産性を高めたFAI-M軽装甲車が製作されたが、こちらはわずか67両の生産数に留まった。

またFAI軽装甲車の派生型として装甲列車部隊の軌道偵察に用いるため、車輪に代えて線路上を走行するための鉄輪を装着したFAI-ZhD軽鉄道偵察車も若干製作されている。
FAI-M軽装甲車は、続くBA-20軽装甲車の開発ベースともなった。


<FAI軽装甲車>

全長:    3.75m
全幅:    1.675m
全高:    2.24m
全備重量: 2.0t
乗員:    2名
エンジン:  GAZ-A 直列4気筒液冷ガソリン
最大出力: 40hp
最大速度: 80km/h
航続距離: 200km
武装:    7.62mm機関銃DT×1 (1,323発)
装甲厚:   3〜6mm


<FAI-M軽装甲車>

全長:    4.31m
全幅:    1.75m
全高:    2.24m
全備重量: 2.0t
乗員:    2名
エンジン:  GAZ-M1 直列4気筒液冷ガソリン
最大出力: 50hp
最大速度: 90km/h
航続距離: 315km
武装:    7.62mm機関銃DT×1 (1,323発)
装甲厚:   3〜6mm


<参考文献>

・「パンツァー1999年10月号 ソ連・ロシア装甲車史(3) 装甲車の黄金時代(1)」 古是三春 著  アルゴノート社
・「グランドパワー2005年2月号 第2次大戦のソ連軍装甲自動車(2)」 古是三春 著  ガリレオ出版
・「世界の軍用車輌(4) 装輪式装甲車輌:1904〜2000」  デルタ出版
・「ビジュアルガイド WWII戦車(1) 電撃戦」 川畑英毅 著  コーエー


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