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BAI中装甲車





「BAI」(Broneavtomobil Izhorskiy:イジョーラ工場の装甲車)は、1932年にレニングラード(現サンクトペテルブルク)のイジョーラ工場がBA-27M中装甲車をベースに、車体を近代的にリファインした6輪装甲車である。
戦闘室前面右側に国産の7.62mm機関銃DTを装備するボールマウント式銃架を設けた新しい装甲ボディは、厚さ8mmの圧延防弾鋼板で構成されており、その後のBA-3、BA-6、BA-10等の1930年代におけるソ連軍の代表的な6輪装甲車にも基本的に引き継がれた形態のものであった。

また組み立て工程にはそれまでのリベット接合を最小限にして、電気溶接接合を大幅に採り入れていた。
しかし砲塔はBA-27中装甲車シリーズと同様リベット接合式で、フランスのオチキス社製の37mm戦車砲SH-18と7.62mm機関銃DTを前面に装備した、T-18軽戦車と全く同じものを用いていた(後期型ではFAIやBA-20等の4輪装甲車、あるいは2砲塔タイプのT-26軽戦車用を大型化したような7.62mm機関銃DTをボールマウント式に装備した半円筒型砲塔となった)。

BAI中装甲車は1932〜34年にかけて事実上、より本格的な戦闘用6輪装甲車BA-3/BA-6シリーズが登場するまでの繋ぎとしてイジョーラ工場で少数が生産された。
しかしながら1930年代におけるモスクワなどでの祝祭日の軍事パレードでは常連で、1941年6月の独ソ開戦時にも前線部隊にまだ姿が見られた。


<BAI中装甲車>

全長:    4.77m
全幅:    2.016m
全高:    2.35m
全備重量: 5.0t
乗員:    3名
エンジン:  GAZ-MM 直列4気筒液冷ガソリン
最大出力: 40hp
最大速度: 63km/h
航続距離: 140km
武装:    21口径37mm戦車砲SH-18×1 (34発)
        7.62mm機関銃DT×2 (3,024発)
装甲厚:   4〜8mm


<参考文献>

・「パンツァー1999年10月号 ソ連・ロシア装甲車史(3) 装甲車の黄金時代(1)」 古是三春 著  アルゴノート社
・「パンツァー2007年7/8月号 1920〜30年代におけるソ連の6輪装甲車」 前河原雄太 著  アルゴノート社
・「パンツァー2001年10月号 ソ連の6輪装甲自動車」 真出好一 著  アルゴノート社
・「グランドパワー2005年1月号 第2次大戦のソ連軍装甲自動車(1)」 古是三春 著  ガリレオ出版
・「世界の軍用車輌(4) 装輪式装甲車輌:1904〜2000」  デルタ出版


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