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LVTP7/AAV7水陸両用兵員輸送車





アメリカ海兵隊は1964年3月にLVTP5水陸両用兵員輸送車の後継となる新型LVTPの開発を要求し、この要求に応じた各社の設計案の中からFMC社(Food Machinery and Chemical Corporation:食品・機械・化学企業)のプランが選定され、開発契約が結ばれた。
1966年2月より基礎開発がスタートし、1967年9月までに試作車15両が完成して「LVTPX12」の試作名称が与えられ、海兵隊の手で1969年9月まで試験が実施された。

試験では満足すべき性能を見せ1970年6月に942両が発注され、「LVTP7」(Landing Vehicle, Tracked, Personnel, Mark 7:装軌式兵員上陸用車両7号)として制式化されて生産を開始した。
生産型第1号車は1971年8月に海兵隊に引き渡され、翌72年3月には部隊配備が始まり、1974年9月に最終号車が引き渡されてLVTP7水陸両用兵員輸送車の生産は終了した。

LVTP7水陸両用兵員輸送車の車体は防弾アルミ板の全溶接構造で機関室は車体前部右側に置かれ、前部左側は操縦室とされ専用のキューポラが備えられていた。
操縦室の後方は車長席で、車長の左側には12.7mm重機関銃M85を装備する旋回式銃塔が搭載されており、車内から射撃を行うことができた。

車体後部は兵員室とされベンチシート3基が設けられており、25名の兵員を収容し乗降は車体後面に備えられたランプドアを用いるようになっていた。
エンジンはデトロイト・ディーゼル社製の8V-53T V型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(出力400hp)が用いられ、FMC社製のHS-400-3変速機(前進4段/後進2段)と組み合わせてパワーパックを構成した。

水上での浮航は専用のウォーター・ジェット2基により行われ、履帯を駆動しての浮航も可能であった。
当然ながら水密構造を採っていたが、NBC防護機材は未装備とされた。
また寒冷地用キットを装着することにより、外気温−54℃でも行動可能であった。
生産終了後の1977年3月にFMC社は、14両のLVTP7水陸両用兵員輸送車を改良型のLVTP7A1に改修することを求められた。

この改修は、カミンズ社製のVT400 V型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(出力400hp)への換装や、パッシブ式夜間視察装置の導入、発煙弾発射機の新設、車長用キューポラの上方への大型化、サスペンションの強化、兵員室のヴェンチレイター強化、油圧と電気系の強化などが含まれており、能力向上と共に寿命延長も盛り込まれていた。

改修作業は1980会計年度から始められ、試作車14両を含んで1985会計年度までに998両のLVTP7水陸両用兵員輸送車がLVTP7A1に改修された。
さらに1981会計年度から新規生産分も発注され、1985会計年度までに329両のLVTP7A1水陸両用兵員輸送車が完成した。

1985年には呼称が「LVTP7」から「AAV7」(Assault Amphibian Vehicle Mark 7:水陸両用強襲車両7号)に改められ、同様に「LVTP7A1」も「AAV7A1」となっている。
AAV7水陸両用兵員輸送車の派生型としては指揮通信型AAVC7A1、回収型AAVR7A1、地雷処理型CATFAEが存在する。


<AAV7水陸両用兵員輸送車>

全長:    7.944m
全幅:    3.269m
全高:    3.264m
全備重量: 22.839t
乗員:    3名
兵員:    25名
エンジン:  デトロイト・ディーゼル8V-53T 2ストロークV型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル
最大出力: 400hp/2,800rpm
最大速度: 64.37km/h(浮航 13.52km/h)
航続距離: 483km
武装:    12.7mm重機関銃M85×1 (400発)
装甲厚:   25.4〜44.45mm


<AAV7A1水陸両用兵員輸送車>

全長:    8.161m
全幅:    3.269m
全高:    3.315m
全備重量: 25.652t
乗員:    3名
兵員:    25名
エンジン:  カミンズVT400 4ストロークV型8気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル
最大出力: 400hp/2,800rpm
最大速度: 72.42km/h(浮航 13.2km/h)
航続距離: 483km
武装:    40mm自動擲弾発射機Mk.19×1 (48発)
        12.7mm重機関銃M2×1 (250発)
装甲厚:   25.4〜44.45mm


<参考文献>

・「パンツァー2013年1月号 アメリカ海兵隊の編成と装備」 城島健二/竹内修/柘植優介 共著  アルゴノート
 社
・「パンツァー2009年3月号 アメリカ海兵隊の主力車輌 AAVP-7両用兵車」 島田夫美男 著  アルゴノート社
・「パンツァー2009年7月号 アメリカ海兵隊のLVT 上陸作戦と水陸両用車(終)」 高橋昇 著  アルゴノート社
・「パンツァー2014年10月号 AAV-7両用兵車は日本に必要か?」 竹内修/三鷹聡 共著  アルゴノート社
・「パンツァー2012年12月号 AAV-7両用兵車 in アクション」 城島健二 著  アルゴノート社
・「パンツァー2001年7月号 アメリカ海兵隊のAAV-7両用兵車」  アルゴノート社
・「世界のAFV 2018〜2019」  アルゴノート社
・「グランドパワー2004年3月号 アメリカ軍の装軌式上陸車輌-LVTシリーズ(5)」 古是三春 著  ガリレオ出版
・「グランドパワー2015年4月号 陸自のAAV-7水陸両用車」 伊吹竜太郎 著  ガリレオ出版
・「世界の軍用車輌(3) 装軌/半装軌式戦闘車輌:1918〜2000」  デルタ出版
・「世界の主力戦闘車」 ジェイソン・ターナー 著  三修社
・「世界の主力軍用車」 ジェイソン・ターナー 著  三修社
・「世界の装軌装甲車カタログ」  三修社
・「戦車メカニズム図鑑」 上田信 著  グランプリ出版
・「戦車名鑑 1946〜2002 現用編」  コーエー


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