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05式水陸両用軽戦車





中国軍は旧式化した63式水陸両用軽戦車の後継車両として、2000年代初めに99式水陸両用軽戦車を開発した。
中国が新型の水陸両用軽戦車を必要とした理由は、主に台湾への上陸侵攻を想定してのことと思われる。
99式水陸両用軽戦車は主砲が105mm戦車砲に換装されたことで火力が大幅に向上し、出力1,000hpの新型エンジンの採用によって水上航行速度も63式水陸両用軽戦車に比べて大幅に向上していた。

しかし99式水陸両用軽戦車は、開発期間を短縮するために63式水陸両用軽戦車の車体設計を流用していたため基本設計が古く、性能的にやや不満足な部分があった。
そこで中国軍は、当時開発を進めていた水陸両用の新型装軌式IFV(後の05式水陸両用戦闘車)の車体をベースに、新たな水陸両用軽戦車を開発することを計画した。

05式水陸両用戦闘車は開発当初から様々な派生車両のベース車体として用いることが計画されており、05式水陸両用軽戦車以外にも装甲指揮車型、装甲回収車型などが開発されている。
こうして誕生した05式水陸両用軽戦車は2006年から量産が開始され、現在陸軍の水陸両用機械化部隊と海軍歩兵部隊に配備が進められている。

これに伴って、99式水陸両用軽戦車は2002年までにわずか80両が生産されたのみで生産終了となった。
05式水陸両用軽戦車の車体は基本的に05式水陸両用戦闘車と同様のもので、中国軍の最新鋭MBTである99G式戦車と同じく出力1,500hpのWR703/150HB V型12気筒液冷ディーゼル・エンジンを搭載しており、水上を45km/hの速度で航行することが可能である。
水上航行時の推進力は、車体後部に装備された専用のウォーター・ジェットで得るようになっている。

水上航行する際の安定性を確保するため車体の前方は大きくオーバーハングさせられており、水上航行時の水中抵抗を軽減するために足周りの上部はサイドスカートに覆われている。
車体前方のオーバーハング部は空間装甲の役割も果たしており、対戦車ミサイルやHEAT弾などの成形炸薬弾頭に対する防御力を大きく向上させている。
また、車体側面と後面の装甲板も空間装甲になっているといわれる。

05式水陸両用軽戦車の砲塔は99式水陸両用軽戦車と同様の平面で構成された溶接構造のもので、主砲も同じく多孔式の砲口制退機が装着された105mm戦車砲を装備している。
副武装も99式水陸両用軽戦車と同様で主砲と同軸に86式7.62mm機関銃、砲塔上面右側の装填手用ハッチの前方に85式12.7mm重機関銃を装備している。
また砲塔の左右側面前部には、各4基ずつ発煙弾発射機が装備されている。

05式水陸両用軽戦車の乗員は4名で砲塔内左側に車長、主砲を挟んで右側に砲手、その後方に装填手が位置し、車体前部左側に操縦手が位置する。
車体前部右側にはパワーパックが収納されており、63式および99式水陸両用軽戦車のようなリアドライブではなくフロントドライブ方式を採用している。

これはベース車体が歩兵戦闘車のものであるため、車体後部に兵員収容スペースを設ける必要があったためで、05式水陸両用軽戦車では兵員収容スペースを主砲弾薬庫に流用している。
転輪の数は63式および99式水陸両用軽戦車と同様に片側6個であるが、転輪のサイズがかなり小型化されているのが目立つ。
サスペンションについては、従来通りトーションバー(捩り棒)方式を採用している。


<05式水陸両用軽戦車>

全長:
全幅:
全高:
全備重量: 26.0t
乗員:    4名
エンジン:  WR703/150HB 4ストロークV型12気筒液冷ディーゼル
最大出力: 1,500hp
最大速度: 60km/h(浮航 45km/h)
航続距離: 500km
武装:    105mmライフル砲×1 (25〜35発)
        85式12.7mm重機関銃×1 (500発)
        86式7.62mm機関銃×1 (1,000〜1,500発)
装甲厚:


<参考文献>

・「パンツァー2010年5月号 建国60周年記念軍事パレードに見る中国軍用車輌カタログ」  アルゴノート社
・「パンツァー2014年6月号 各国の海兵隊(9) 中国陸戦隊」 荒木雅也 著  アルゴノート社
・「パンツァー2010年7月号 中国陸軍 04式戦闘兵車」 前河原雄太 著  アルゴノート社
・「世界のAFV 2011〜2012」  アルゴノート社
・「決定版 世界の戦車FILE」  学研


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